こんにちは、光(闇)の戦士BUSSANです。
僕は、もともと感情の起伏が乏しい人間なので、「ゲームの音楽を聴いて感動で涙を流す」という経験を今までしたことがありませんでした。「損してる~」という言葉が聞こえてきそうですが、本当にそうなんです…。
しかし、2019年9月21日にみなとみらいのパシフィコ横浜にて開催された、「FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2019 -交響組曲エオルゼア-」にて、僕の価値観は大きく変わりました。僕の他にも色々なメディア、色々な方々が数多くのレビューを書いていますが、本当の本当に衝撃を受けたのです。
あのコンサートホールで過ごした時間がどれだけ衝撃的だったかを、このページに書き残しておこうと思います。1曲づつ感想を書いていますが、特に他の方に共有したいのは、「アンコールの演出がどれだけ素晴らしかったか」という部分です。
完全に一個人の感想ではありますが、他のファンの方と思いを通わせることが出来れば幸せです。
もくじ
- 1 会場、パシフィコ横浜にて
- 2 開演~1曲目「希望の都」
- 3 2曲目、「静穏の森」
- 4 3曲目、究極幻想
- 5 4曲目、Heavensward
- 6 5曲目、英傑
- 7 6曲目、Dragonsong
- 8 7曲目、銀鱗と鋼鉄
- 9 8曲目、クリスタルタワーメドレー
- 10 9曲目、我らが支配圏
- 11 10曲目、鬨の声(ときのこえ)
- 12 11曲目、Revolutions
- 13 12曲目、塩と苦難の歌
- 14 13曲目、紅の嵐
- 15 14曲目、月読命之唄
- 16 15曲目、開けられた玉手箱
- 17 16曲目、空より現れし者
- 18 17曲目、アンコール:そして世界へ
- 19 18曲目、アンコール:龍の尾
- 20 19曲目、サプライズアンコール:砕けぬ思い
- 21 演奏終了後
※この記事の内容には、「漆黒のヴィランズ」のネタバレを一部含んでいますので、まだクリアしていない方は注意して下さい。
※ちなみに、各見出しに使用している写真は、「『FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2019』オフィシャルパンフレット」を「内容が分からない程度に」撮影したものを使用しています。
会場、パシフィコ横浜にて
※写真は演奏開始前に撮影しました。
その日、みなとみらいにあるパシフィコ横浜には5000人の光の戦士達が集まりました。
その様子はまるで壮大なオフ会のよう。老若男女、人種問わず様々な人々が会場に集まっていました。外国人の方も見受けられ、流石はFF14、世界規模のオンラインゲームだという事を改めて実感させられました。
そこに集まった人々はその属性こそバラバラでしたが、全員が今日の公演を楽しみにしている事が、雰囲気から感じ取れました。
開演~1曲目「希望の都」
いよいよ開演。
通常、こういったオーケストラのコンサートでは司会を立てて進行を行うのですが、今回の司会はプロデューサーの吉田さんが自ら行っていました。吉田さんの立ち振る舞いは毎回安定感があり、PLLやファンフェスなどと一切雰囲気も変わらず、謎の安心感すら覚えます。
そして吉田氏の紹介で登場する、サウンドディレクターの祖堅さん。実は、祖堅さんは1週間前に福岡・大阪でサントラの発売記念イベントに出演したばかりでした。なんというハードスケジュール。
2人が挨拶とオープニングトークを軽やかにこなし、1曲目、「希望の都」が始まります。実は、僕はちゃんとしたオーケストラコンサートに参加するのは初めてです。
ましてや東京フィルハーモニー交響楽団という日本最高峰の音を聴くなんて、人生初です。
そんなウブウブ初心者な僕の耳に容赦なくオーケストラサウンドの激流が流れ込みます。
なんという壮大さ。荘厳さ。これがオーケストラか。
ウルダハスタート・最初のジョブが黒魔導士だった僕は、この曲に思い入れがあります。
MAPの見方が分からず、ロイヤル・プロムナードへ辿り着けずにザル回廊を永遠にウロウロしていたのを思い出してしまいました…。サンクレッドという怪しいメインキャラをいつまでも信用できずに疑っていたあの頃…。スクリーンに映される映像の効果もあり、そんな思い出が鮮明に蘇ります。
2曲目、「静穏の森」
ゲーム内では黒衣森地方のフィールドで流れる曲です。
ウルダハスタートだった僕は、ある程度操作に慣れてきた頃にこの曲を耳した記憶があります。グリダニアにて2ジョブ目に弓術士を選んだ僕は、攻撃力の低さにあっさり弓をあきらめる事になるのですが、そんな苦い思い出はオーケストラの流麗な音色により消え去りました。ヒーリング効果が凄い。まさにグリダニア。
3曲目、究極幻想
この曲はゲーム内では「アルテマウェポン破壊作戦」で流れます。荘厳なコーラスが特徴的です。パンフレットによれば、この曲は元々プログラミングによりコーラスを入れていたそうですが、今回しっかりした詩が入り、本物のコーラスとして歌われているそうです。
圧が凄い。スクリーンに映されるアルティマウエポンの映像も相まって、迫力のあるステージとなりました。
4曲目、Heavensward
ここからは、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」編の曲となります。
ここまでの流れで、FF14を始めてからの記憶を思い出し、完全に感情移入してしまっていた僕には、この曲はガツンと来ました。蒼天のイシュガルドのオープニングムービーと共に流れるコーラスは、僕の涙腺を崩壊させるには十分過ぎました。
シナリオ的に、蒼天のイシュガルドはマイナスなイメージから始まります。
馴染みの土地から追われ、命からがら未知の土地に逃げ込む主人公。そこで手を差し伸べてくれたキャラクター達。オーケストラって、どうしてこんなにも感情移入させるのが上手なんでしょうか。
イシュガルドのシナリオは、本当に温度感を肌で感じるシナリオなんです。
別にプレイしている自分は寒くないはずなのですが、何故か寒さを感じる。そして、終盤に向けてだんだん温度が上がってくる感じがするんです。本当に良く出来たシナリオだったと思います。
5曲目、英傑
この曲は男性コーラスが力強い楽曲です。
シナリオ的にも騎士の話なので、男性感が強めとなっています。個人的にも大好きな曲で、サントラでもこの曲だけよくループ再生しています。サントラの音源の時点でも十分過ぎるほどカッコイイ曲なのですが、オーケストラでの演奏に生声の重厚なコーラスが乗る事で、ここまで迫力が増すなんて…。こんなのアリかよ…。というくらい感動しました。
6曲目、Dragonsong
この曲では歌手のスーザンさんが登場し、歌入りで演奏が行われました。
なんというか、震えるしかありません。なぜかと言うと、スクリーンに映されるムービーの構成、スーザンさんの歌声、オーケストラの演奏、全てが完全にベストマッチ。
そして「Heavensward」「英傑」からのこの曲という流れ、さらにはスクリーン脇のライティングも、曲に合わせて水色~青の色で統一されるというこだわり。制作陣のこの1曲にかける想いが凄い。全身全霊で完成度を高めに来ている。今までこんな幸せなコンテンツがあったでしょうか。涙でステージが見えなくなった頃に演奏が終わりました。終わって欲しくなかった。いつまでも聞いていたい曲でした。
気が付くと腕が千切れるかと思うほど拍手していました。
7曲目、銀鱗と鋼鉄
シナリオ内では、オメガと神龍が戦う時の曲です。吉田氏によれば、この曲は個人的に彼の推し曲とのことです。ちなみに、アルバム「The Best」にも入っており、ファンからも熱い支持を得ている曲の一つです。もともとオーケストラサウンドでの編曲となっているため、まさにコンサートの生音で聴きたい曲の一つでした。ムービーのチカラも相まって、スンゴイ完成度の高さでした。
8曲目、クリスタルタワーメドレー
2019年7月2日に発売された拡張パッケージ「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」をプレイした人には馴染みの強い「クリスタルタワー」に関する曲のメドレーです。
そして、このメドレー構成には「悠久の風」が含まれています。恥ずかしながら僕は知らなかったのですが、クリスタルタワーはFF3のオマージュとなっており、クリスタルタワーのクエストのラストでは、FF3のフィールドBGMである「悠久の風」が流れます。
(後に妻から教えてもらいました)悠久の風はゆったりしたペースの曲で、この時スクリーンには、このシナリオの主人公「グ・ラハ」の回想シーンが流れます。そこからの、アップテンポのメドレーへのチェンジが、メチャクチャ熱い。
この曲にて第1部(前半)終了です。休憩時間を挟んで第2部(後半)へと続きます。
第2部からは「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」の曲となります。
9曲目、我らが支配圏
ガレマール帝国の国歌です。
突如登場する吉田氏、祖堅氏。
お茶目な動作で2人はコーラス隊に加わっていきます。
曲が始まると、スクリーンにはコーラスに交じって歌う2人の姿が写りました。
オーケストラコンサートでありながら、コミカルな一面も見せる2人。
10曲目、鬨の声(ときのこえ)
紅蓮のリベレーター編のダンジョンボスBGMです。
めちゃくちゃ勢いのある曲です。聞いてるこっちも毎回テンションが上がっています。
まさに「紅蓮」という感じ。ボスBGMは毎回カッコイイ曲が多いのですが、この曲は特に勢いが凄い。もちろん生演奏ならその迫力・高揚感も更に高まります。最高。
11曲目、Revolutions
この曲は紅蓮のリベレーターのエンディングで流れる曲です。
歌手のスーザンさんが再び登場。伸びやかな歌声とオーケストラの壮大さが完璧にマッチした一曲です。スーザンさんの歌声は、いつも聴いていて思うのですが、メッセージを伝える力が凄いです。本当に訴えかけてくるものがある。
12曲目、塩と苦難の歌
この曲は、ギラバニア湖畔地帯の昼のフィールド曲です。
一歩一歩踏み出すようなリズムが特徴的。そしてスクリーンに映し出される映像にはヒエンが登場します。吉田氏のトークによれば、この曲も彼の推し曲とのこと。パンフレットによると「会社でログインしている時は常にこのエリアにいました」とのこと(笑)
ちなみに、個人的にはこのエリアは風脈の泉を開放せずにずっと歩きで移動していたので、まさに「苦難」のイメージが強かったです(笑)
13曲目、紅の嵐
紅蓮編のメインテーマ、かつ紅蓮編のメイン都市となるクガネの曲です。
曲が始まると、とても渋い音で主旋律が聞こえてきました…。あれ、これもしかして尺八じゃない…? ステージの手前に目をやると、そこには尺八奏者の姿が…!なんという音へのこだわり。クガネは「東方」をテーマにした都市で、まさに尺八の音色がピッタリなのですが、本当に奏者を招いてオーケストラと完璧にマッチさせてくるとは‥‥。
僕は、尺八の音色を生で聞いたのは初めてだったのですが、余りに美しすぎて号泣してしまいました。
14曲目、月読命之唄
「ツクヨミ討滅戦」の曲なのですが、意外にもヤンサのフィールド曲から始まるというアレンジが効いていました。その時は気付かなかったのですが、ヤンサはヨツユの出身地。なのでこのアレンジはまさにヨツユにフォーカスを当てたものでした。
スクリーンの脇のライトアップも紫と赤という、まさにヨツユカラーでの演出が効いていました。ちなみにこの曲は唯一日本語の歌詞がある曲です。パンフレットによれば、オーケストラにおいて、この曲は女性だけでなく男性も歌っているとのこと。通りで声の厚みが凄いはずだ…。
15曲目、開けられた玉手箱
突如登場する祖堅氏。手にはお馴染み「オタマトーン」が。
「開けられた玉手箱」は水中のステージ「紫水宮」で流れるBGMです。
非常にゆったりした曲調で、ぼーっと聴いていると眠くなってしまいそうなほど美しいのですが、途中からちょっと変わった(?)オタマトーンの音色が混じります。祖堅氏自らの演奏によるものです。その音色のお陰もあってなんとも不思議な雰囲気が醸し出されていました。ドヤ顔でオタマトーンを奏でる祖堅氏にクスッとしてしまいました(笑)
16曲目、空より現れし者
この曲はゲーム内では「次元の狭間オメガ零式:アルファ編4」の後半戦で流れる曲なのですが、僕は残念ながらオメガ零式はクリアしていないため正確にはこの曲を聴いたことがありませんでした。が、通常オメガのストーリーを思い出して、アルファが健気に走る姿を思い出しながらホロホロしていました。
プログラム的には一旦ここで演奏終了。指揮者の栗田さんがステージの袖に掃けます。
もちろん、ここでアンコール。ヒカセンの拍手が一体化していきます。
17曲目、アンコール:そして世界へ
王道中の王道。アンコールの1曲目に相応しい曲です。僕の奥さん曰く、「この曲は光の戦士が現実に帰る時の曲」だそうで…まさにその通りだと思いました。旅立ちの曲にピッタリです。でも現実に帰りたくない。いつまでもこのオーケストラを聴いていたい。そんな名残惜しさを感じました。
18曲目、アンコール:龍の尾
アンコール2曲目。本命中の本命です。この曲は「紅蓮のリベレーター」を締めくくるラストバトル「神龍討滅戦」の曲なのですが、度々イベントのオープニング曲として使われていて、色んなシーンでよく耳にします。
実は事前にセットリスト(曲目)は公開されていたため、この曲が必ず演奏される事は分かっていました。分かっていたのですが、やはり実際にオーケストラの生音で聴けると思うと嬉しい限りです。
この曲は、サビに入るまでの重厚感のあるコーラスの盛り上がりと、サビに入った瞬間の「まるで眩しい光が差し込むような」雰囲気のギャップが非常に素晴らしい曲で、特に今回のオーケストラでは、ラストサビの入り方にアレンジが効いていて、もはや感無量と言える最高の曲に仕上がっていました。
まさにラストの曲に相応しい、これぞオオトリと言える選曲。
僕はこの曲を聴が聴けて大満足なのでした。
曲が終わり、ライトが消え、指揮者の栗田さんがステージから掃けます。
しかし、当然拍手は終わりません。よくある流れ。
でも、通常アンコールは2曲まで、というのがコンサートのお決まりです。
事前に知らされていたセットリストも全て終わったので、これで今日は終演かな~と思っていました。
しかし、クスッとした表情でひょっこりステージに戻ってくる栗田さん。
ラスト1曲ね、というポーズ。 マジで!?
~過去回想~
今回のオケコンに参加する前に、妻とアンコールの内容について話していたのですが、
「できれば漆黒のヴィランズの内容が聴きたい」
「でもリリースから時間が経っていないから、流石に難しいんじゃないか」
という予想をしていました。さすがにヴィランズの曲はやらないだろうと。
なので、できればやって欲しいけど、無理だよなぁ、とあきらめていたのです。
しかし、スクリーンに映し出されたのは「SHADOWBRINGERS: FINAL FANTASY XIV」のロゴ。絶叫する会場。気づいたら僕も余りの嬉しさに叫んでいました。
神龍だけでもお腹いっぱいなのに、これ以上何を食わせようと言うのか。
始まったイントロは、漆黒のヴィランズのラストバトル「ハーデス討滅戦」で流れる「砕けぬ思い」でした。
19曲目、サプライズアンコール:砕けぬ思い
きっと、会場に居たほぼ100%の人間が叫んだのではと思います。それほどの衝撃でした。
オーケストラコンサートとは思えない熱狂。まるでロックフェス。きっと全員嬉しかったのだと思います。今回のアップデートで実装された「SHADOWBRINGERS: FINAL FANTASY 漆黒のヴィランズ」は、今までで最高のシナリオだったと評価の高い内容でした。クリアしたプレイヤーは口を揃えて「傑作だった」と言います。その中でも最も盛り上がるクライマックス、「ハーデス討滅戦」で流れる曲、それが「砕けぬ思い」です。
「砕けぬ思い」は誰の思いなのかと言うと、ハーデス(エメトセルク)が抱いている思いなのですが、僕は彼の思想・物事の捉え方が大好きで、今回のシナリオで最も好きなキャラクターの一人です。そんな彼は、どちらかというと背中で語りかけてくるタイプ。去り際の姿が非常に魅力的なキャラクターです。そんな後ろ姿がコンサートのラストと重なり、ただただ感動する事しか出来ませんでした。
感情が著しく高まる事で、人間は何かしらの生理現象が起きるのですが、僕はその時泣きながら汗をかいていました。付け加えると軽く呼吸困難でした。こんなにも感動できるものなのかと、自分でも半ば引いていました。
会場の湿度が急に上がった気がしますが、きっと気のせいではなかったと思います。
後になって気が付いたのですが、このコンサートが行われる前に、「漆黒秘話」(漆黒のヴィランズのサイドストーリーがサイト上で公開されています)にてエメトセルクの過去エピソードが公開されており、おそらくそこまでがセット、という内容なのだろうと思いました。なんという幸せなコンテンツでしょう。
演奏終了後
演奏終了後、出演者全員がステージに上がり、全員で一言づつ締めくくりの挨拶タイムです。吉田氏により、この時の3分間だけ写真撮影が許可されたので、震える手でカメラを握って写真を撮りました。まさか望遠レンズがここで役に立つとは。
出演者の方々は全員いい顔をしていました。きっと手ごたえを感じたのだと思います。
こんなに大きな会場で、最大レベルの規模感での演奏を行った、というだけでも十分なのですが、それに加えて映像やライティングの演出、アンコール後のさらなるサプライズ、そしてWeb上での追加エピソードの公開まで、全てが完璧に組み合わさり、これ以上ない至高のコンテンツとなったのではないかと思います。
この空間にて他の光の戦士と同じ時間が共有出来た事は、この上なく幸せな体験でした。
次回、またFF14のオケコンが開催されることがあれば、きっと参加すると思います。
以上「FF14オケコンレビュー」でした。
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