こんにちは、なんでもクリエイターのBUSSAN(ぶっさん)です。
めちゃめちゃ久しぶりの記事更新なのですが、今回はなんとモンブランさんからお誘い頂き、VTuber×デザインのアドベントカレンダーに参加させていただく事になりました!
今回はその一環としての記事となります。
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VTuber×デザインの
アドベントカレンダー開催&参加者大募集!12/1〜25まで”VTuberとデザイン”の記事を書いていただける方を募集中です!
媒体は自身のブログでもnoteでもWebページなら何でもOK!
是非お気軽に参加ください!🔗 https://t.co/A4UalILSki#拡散希望 pic.twitter.com/oFO4FPTgIE
— モンブラン|Designer × VTuber (@MontBlanc04) November 24, 2022
「VTuberとデザイン」というテーマですが、VTuberと映像に関することもOKとのことなので、VTuberさんが作る事が多い、「PVの撮影をVRChatで行う場合のあれこれ」について記事を書いてみます!(実は以前から書いてみたかった話題でした)
事前にお詫びとなりますが、本来書くべきことの多くを端折っており、抜けや漏れが多く、この記事を読んだだけで完璧に撮影が出来るほどの網羅された内容ではないので…「ざっくり、こんな事やってるんだな~」くらいに認識頂けると嬉しいです…!また、この記事は時間が出来次第、追って項目を追加していこうと思っています。内容は2022年12月時点のものと思って頂けますと幸いです。
もくじ
3DのVTuberさんにとってVRChatはとても最高な撮影環境。
VTuberさんは自分の姿をどう画面の外側に見せるか、というところが一番の楽しみどころ(であり悩みどころ)だと思うのですが、3Dの身体を持っているVTuberさんにとってVRChatは最高の環境と言えます。VRChatには数十万のワールドが存在しており、日々その数は増え続けています。一人で沢山の背景を作ったり、配信セットを作るのはとても大変ですが、VRChatであればたくさんのワールドクリエイターさんが作ったワールドをお借りして、画面の中での実在感、生活してる感を感じてもらいやすい映像を撮る事ができます。
(※配信や動画の中でワールドを使用する場合は、作者さんに許可をいただくのが無難です)
こんな映像を撮ってます。
大学生ニホンオオカミVTuber間牙みつきさんの3Dデビュー予告ムービーの撮影&編集を担当しました。
SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland で行われたkinu 5th live “はじまりのおわり” のドローンパート映像の撮影を担当しました。
VTuberさんではないのですが、GBXDさんのPVで登場するミカ・アストロメリアさんのダンスシーンをVRChat内で撮影しました。
【🎥ファンムービーを撮りました🎥】
僕が夜な夜な迷い込んでは音楽を聴いている「ことはのすいてい。」というワールドが好きすぎてファンムービーを作ってしまいました。
ぜひ音アリで見てもらえたら嬉しいです。
そしてこのワールドに迷い込んでほしいです。#VRChat pic.twitter.com/DsKXEjz5NQ— BUSSAN⚡️(なんでもクリエイター) (@BUSSAN_8888) September 26, 2021
「ことはのすいてい。」というVRChatワールドが好きすぎて、自分をモデルにしてファンムービーを撮ってしまいました。
という感じで、3Dアバターをお持ちのVTuberさんであれば、VRChatでこのような動画を撮る事ができます。僕が撮影した動画をこちらのTwitterモーメントにまとめていますので、ご興味がある方は是非ご覧頂けると嬉しいです…!また、その他の色々な作品はforiioに掲載していますので良かったらそちらもどうぞ…!
前提(この記事はこんな人に向けて書いています)
しかしながら、VRChatで映像を撮影するまでには非常に多くのステップがあり、乗り越えるべきことが沢山あり過ぎるので…今回は下記の前提を前提として書きます。すみません…。
- VRChatを導入済みである
- 3DアバターをVRChatにアップロード済みである
- VRChatの操作が問題なく行える
- 撮影ワールドの選定などは自分で行える
つまりは、既に自分の身体(アバター)でVRChatを遊んでいる人が主な対象になるかと思います。(そこまでが大変だんだよ…!と言われたらゴメンナサイなのですが…)
ただし、VRChatを始めた時の事は僕が過去に記事化していますので、よければこちらの記事を読んで頂けると、導入としては分かりやすいかもしれません。
今回は間牙みつきさんPVの作例をもとに記事を書きます。
冒頭で紹介したこのPVを撮るにあたって準備したことや、行った事などを書いていきます。VRChatでの動画撮影にドローンを使用する必要はないのですが、僕の撮影ではほとんどすべてにドローンを使用しているので、今回はそれも含めた解説を書いてみたいと思います。(※記事の制作にあたりご本人よりすべての素材の掲載許可を頂いています)
VRChatでの撮影に必要な機材は?
VRChatを既に自分のアバターで遊んでいる方でも、VRChat上で動画撮影を行うにはある程度の機材が必要になってきます。分かりやすく言うと、オンラインゲームを録画しながら配信が出来るくらいのスペックのゲーミングPCと、PCVRでフルトラが出来る機材が必要になります。被写体となるVTuberさんは全身を動かす事が出来るトラッキング機材とPCが、撮影するカメラマンはその動きを高FPSで録画できるスペックのPCが必要となります。
VTuberご本人さんの機材(間牙みつきさんの場合)
- ゲーミングPC
- CPU:Intel Core i7-11700
- RAM:32.0 GB
- GPU:Nvidia GeForce RTX3070
- VRヘッドセット
- valve index VRキット
- トラッッキングデバイス
- viveトラッカー3.0 x8(11点トラッキング)
※ご本人から許可を頂いて、公式サイトの情報より引用しています!
VTuberを撮影するカメラマンの機材(BUSSANの場合)
▼メインPC
- ゲーミングPC
- CPU:Intel Core i9 13900KF
- RAM:64.0 GB
- GPU:Nvidia GeForce RTX4090
- VRヘッドセット
▼サブPC
- ゲーミングPC
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X 12-Core Processor
- RAM:64.0 GB
- GPU:Nvidia GeForce RTX3070
- VRヘッドセット
参考までに、これくらいのスペックだと安心してVR撮影ができそうだな…というスペックのPCをamazonで探してみました…
ちょっと正直、高い気もするのですが…VR環境で遊ぶというだけでもスペックがかなり要求されるので、その環境でさらに撮影を行うとなると、現状市販で購入できるゲーミングPCの最上位機種が必要だと考えていただけたら良いと思います…!これよりもスペックの低いPCでももちろん撮影にチャレンジすることは可能ですが、やはりPCのスペックと映像のクオリティが直結する事は間違いないと思います。
VRヘッドセットについての補足
僕の場合は部屋の関係でMetaQuest2(またははPro)を使用していますが、フルトラッキングがしたい方はVIVEProやVALVeIndexを検討される事もおススメです。
この記事はVRヘッドセットについての記事ではないため詳しくは割愛しますが、VRヘッドセットにはMetaQuestのようなインサイドアウト方式のもの(ヘッドセット単体でトラッキングが出来るもの)とアウトサイドイン方式のもの(ヘッドセットの外側にトラッキングデバイスを設置してトラッキングを行うもの)の2パターンがあり、部屋にデバイスを設置できる方は後者の選択肢が増えます。
VRChatの撮影に使うツールについて
僕の場合は、VRChatで撮影を行う際は次のようなツールを使っています。
- GeForce® Experience™
- OBS(Open Broadcaster Software®)
- VirtualLens2
- XSOverlay
それぞれのツールごとに詳しく解説していきます。
GeForce® Experience™
▼ダウンロードページ
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/geforce-experience/
NVideaのグラフィックボードで使用することが出来るキャプチャツールです。NVideaのグラボを使って描画するゲーム画面をめちゃくちゃ高画質で録画できる反面、グラボ自体に負荷がかかるため、描画負荷が高い環境での使用は控えるようにしています。描画負荷が高い環境とは、VRChatで言えば数十人が同じインスタンスに居るような環境、例えばイベント会場などです。こうした描画負荷が高い場所ではOBSを使って録画します。
OBS(Open Broadcaster Software®)
▼ダウンロードページ
https://obsproject.com/ja/download
VTuberさんであればかなり馴染み深いキャプチャソフトだと思います。CPUを使ってエンコードするため、GPU負荷が高いゲームを録画する時はOBSの方が安全かと思います。
VirtualLens2
※正式名称はVirtualLens2ですが、記事内では便宜上VirtualLensと呼称します。
▼購入ページ
https://booth.pm/ja/items/2280136
これはVRChat用アバターに組み込んで利用するVRカメラ拡張ツールです。このツールがあればVRChatでの映像にボケを追加することが出来たり、ドローンで空撮が出来るようになったりします。僕はかなりこのツールを重宝しています。このツールを導入するためにはUnityを使って3DアバターにVirtualLensを組み込み、VRChatにアップロードする必要があります。組み込みの方法については作者さんが詳しい解説を用意してくれていますので、そちらを参照するのが良いと思います。
▼VirtualLensのセットアップについて
https://vlens2.logilabo.dev/ja/docs/
XSOverlay
▼購入ページ
https://store.steampowered.com/app/1173510/XSOverlay/?l=japanese
WindowsのデスクトップをVRの画面に写す事ができます。これがあると録画ウインドウをプレビューしながら録画ができたり、録画開始や停止ボタンがかなり押しやすくなるので、撮影ではよく使っています。デスクトップを映すソフトは他にもあるので、代用可能とは思います。
VRChatでの撮影にドローンは必須なのか?
ぶっちゃけてしまうと全く必須ではないのですが、僕が撮る映像ではほぼ100%ドローンカメラを使用しています。その理由として、手持ちや固定、Lookatme等の自動追尾のカメラワークでは表現できないダイナミックな映像を撮る事が出来るからです。また、ドローンの扱いに慣れてくると繊細な動きも出来るようになります。特にVirtualLensはスティック操作ではなく左手全てを使って制御を行うので、かなり繊細な動きも再現することができます。しかしその反面、操作がめっちゃ難解でむずかしいという点がそのハードルを上げています。そのため、この記事ではドローン操作の基本を含めて説明してみようと思います。
VRChatでの撮影の流れについて
では、ここまでで紹介したハードとツールを使って撮影する流れについて説明します。
概要としてはこんな感じです。
- VirtualLens2を起動する
- VRChat内のstreamingカメラを起動する
- streamingカメラに映った映像がデスクトップに表示される
- デスクトップに映った映像をGeForce® Experience™またはOBSで録画する
です。ただ、言葉だけでは分かりづらいと思うのでスクリーンショットで実際の工程を撮ってみました。各工程ごとに解説していきます。
VirtualLens2を起動する(アバターへの導入が完了している前提)
ExpressionsメニューからVirtualLensを起動します。
起動できていればご自身で設定した場所にカメラが表示されるはずです。
VRChat内のstreamingカメラを起動する
次に、streamingカメラを起動します。(↑のスクショは撮影の都合上Photoカメラです)
これでVirtualLensから取り込んだ映像がstreamingカメラに映るはずです。
デスクトップに映った映像をGeForce® Experience™またはOBSで録画する
streamingカメラに映った映像はPCのデスクトップに表示されます。その表示された映像をGeForce® Experience™またはOBSで録画します。録画設定は撮影環境に応じて変えた方が良いです。なぜなら、VRChatはワールドや表示アバターの人数などでパフォーマンスが大きく変化するため、録画設定の負荷が高すぎるとVRChat自体がクラッシュする可能性があるからです。人数が多い時は低負荷な設定で録画するのが無難です。また、良くある「負荷高すぎ問題」について下記に簡単な対策を書いておきます。
高FPS設定で録画しようとしている
録画のFPS設定が60以上になっていませんか?高FPSで録画する場合はかなりの負荷を覚悟しなければなりません。厳しい場合は30FPS程度まで下げてみてください。グッとパフォーマンスが上がるはずです。
4K解像度で録画しようとしている
4K解像度での録画は高負荷を極めます。まずはフルHD(1920*1080)解像度での録画をおススメします。(僕の場合は多人数での撮影にも対応するためにあえて4KモニタとフルHDモニタを切り替えることが出来る環境にしています)
VirtualLensの使い方について
ここまでで仕組みについては解説できたのですが、実はVirtualLensでドローン撮影する時の操作方法についてはちょっとしたコツが必要で、これが言語化されている資料がほとんどないのが現状です。そのため、今回この記事ではそのVirtualLensのドローン操作の方法の言語化を試みてみます。
VirtualLensのドローンコントローラーについて
VirtualLensの魅力といえば、やはりスムーズな動きのドローンカメラです。しかしこのドローンカメラの扱いがとにかく難しい…ということでドローンの挙動についてスクリーンショットによるビジュアルで説明してみます。(あえて専門用語は使いません)
ドローンの上下移動(基本法則を含む)
コントローラーの中央に表示されている白いボールが手の動きに連動して動きます。これを動かす事で手の動きに応じてドローンが動く仕組みになっています。ドローンを上下に動かしたい場合はコントローラーの緑の軸に沿って手を上下に動かします。ちなみに、中央から遠ざかるほどドローンの速度が増加します。つまり、ボールが中央にある時にドローンはその場に静止します。
ドローンの横移動
上記と同様に、横移動させたい場合は赤色の軸に沿って手を左右に動かします。
ドローンの前進・後退
上記と同様に、前後に移動させたい場合は赤色の軸に沿って手を左右に動かします。
ドローンの回転
ドローンを水平回転させたい場合はコントローラーのアナログスティック(画面内のコントローラーではなく手に握っているものを指します)を左右に傾けると水平回転ができます。
つまり、前進しながら右にカメラを回転させたい場合は手を前に出しながらスティックを右に傾ける、という事になります。
ドローンの角度調整
めちゃくちゃ分かりづらいのですが、カメラの上下の角度、回転角度を調整したい場合は右手を左右や前後に傾けます。(この時右スティックは動かしません)そうするとカメラの位置は変えず、角度だけが変化する、という動きになります。
例えば、下を見下ろしながららせん状に右回転しながら降下したい場合、左手を下に動かしつつ、左スティックは右に傾け、右手は前に傾ける、という動きになります。
いや、立体的なカメラワークについて文字で説明されてもわからんわ…!となるかもしれません。まったくその通りです…。これ文字だと意味わからないので、今度動画を用意しようと思います。ただし、12/15時点では動画撮影と編集が間に合わなかったため、時間が出来次第にはなりますが、簡単な解説動画を作りたい…作れたらいいな…と思っています…
機材とソフトとその操作が分かった!あとは撮影…
とても、超、かなり、ざっくりなのですが、ここまで機材とソフトとその操作について説明してきました。ただこれだけだと、とりあえず動画が撮れる、という状態に留まってしまうので…ここからプラスワンポイントとしてサクッと良い感じの映像を撮るための撮影のコツ的なものをいくつかご紹介したいと思います。
遠くからズームしてみる
上の3枚の画像は全て撮影した動画から切り取ったものですが、全部カメラをVTuberさんから遠く離して、そこからズームして撮影しています。これだけでよくあるVRChatの映像「撮っただけ感」を大幅に減らして「実在感・そこにいる感」を演出することができます。ちなみに一番上の間牙みつきさんの映像についてはライブ配信で撮り方のコツなどを話しながらリアルタイムでカメラを動かしていますので、良ければご覧頂けると嬉しいです…!
あえてVTuberさんを撮らない
これはちょっと意味がわからないかもしれないのですが、主役だけ撮り続けると映像として間が持たなくなる事があります。そこで周辺の環境や景色、その時の状況などを補足する情報として、あえて主役を撮らないカットを撮影しておくと映像の余白が出来てとてもいい感じにまとまる事があります。 一連の映像の合間に別の映像(カット)を挿入する手法をインサートカットと言います。なのでアバターだけでなく周辺の景色も是非セットで撮っておくとかなり重宝します。
上の動画は間牙みつきさんの3D予告ムービー#2です。
スクリーンショットの3枚目のワンシーンです。ご本人が部屋に入る前に無人の部屋を映しておくことで余白を感じられるようにしています。
モデルの方とお喋りしながら撮影する
モデルさんの自然なしぐさや自然な表情を撮りたい…でもカメラを向けると人は自然な表情ではなく畏まってしまいます。仕草も同じくで、カメラを向けるとピシッとポーズを取ってしまい、いかにも自然ではなくなってしまう事が殆どです。それを回避するためにモデルさんと雑談しながら撮影すると、自然な表情やしぐさを撮影することができます。1枚目は実際に間牙みつきさんと喋りながら撮影した動画です。ちなみに下の2枚に関しては僕の映像の切り抜きですが、これも自分を自然に撮るために友人を呼んで雑談相手になって頂いています。アバターだから自然な表情もなにも… と思われる方もいますが、やはり中身は人間なので仕草や立ち方は中の人が出ます。その人らしい「自然な」映像を撮るには雑談がかなり有効だったりします。
3DのVTuberさんのデザインを引き出す工夫
前の項目で撮影のテクニックについて軽く触れたのですが、その上でVTuberさんを魅力的に撮るために僕が意識している事を書いておきたいと思います。(ここまで来てでやっとVTuber×デザインらしい内容を書かせていただきます…!)
VTuberさんの「色」を意識した撮影ワールド選びが大事
(※画像はご本人から許可を頂いて掲載しています)
VTuberさんはそれぞれご自身を象徴する配色、いわゆる「担当カラー」を持っている事がほとんどです。そのカラーを意識したワールド選びをしてあげると、ご本人の担当カラーを邪魔することなく、動画自体をVTuberさんの持つ雰囲気に寄せる事ができます。間牙みつきさんの場合は彩度控えめのネイビーやグレー、それと相性の良いホワイトなどを意識して撮影ワールドを選びました。VTuberさんは瞳の色、髪の色、服の色をアイディンティティとすることが多いようなので、今回もそこに焦点を合わせました。
VTuberさんの3Dアバターとのライティングの相性も大事
もう一つ大事な要素として、3Dアバターに使われているシェーダーとワールドのライトの相性を確かめておく必要があります。実はシェーダーについては僕もあまり詳しくないので、専門的なコメントは控えさせていただくのですが…シェーダーとは3DCGを描画する際の陰影処理を行うプログラムの事で、VRChatではアバターごとにこのシェーダーに違うものが使わています。なのでワールドに入った時のアバターの見え方は、使われているシェーダーによって微妙に異なってきます。ワールドとシェーダーの相性を確かめるためには撮影前にワールドに入って実際の見え方を目視で確認しておく必要があります。今回は候補の中から沢山のワールドをご本人と歩きまわって撮影ワールドを決めていきました。
VTuberさんご本人がそこに存在していて違和感がないか?というコンセプトの相性も大事
最後に、このVTuberさんはこのワールドに存在して違和感がないか、実在感が出せるかどうか、という検討も行います。間牙みつきさんの場合、普段は部屋でキーボードを打ちながら作業配信をするという活動が中心のため、色が派手でアクティブなワールドではなく、できる限り室内、かつ静かな雰囲気、シンプルでクール、でも親しみやすさはある空気感にしたいと思い、選択肢の中からワールドを絞っていきました。
そうして出来上がったのがこのPV
knfolxさんのArchyrasというワールドで撮影許可を頂いて撮影しています。
ワールドURL:https://vrchat.com/home/world/wrld_4c272b39-077a-4a4a-ba47-96b21dcb0bf3
amanekさんの04:00 AM・Water というワールドで撮影許可を頂いて撮影しています。
ワールドURL(04:00AM):https://vrchat.com/home/world/wrld_991aae33-62f2-43dc-80b9-55df697a5bf3
ワールドURL(Water):https://vrchat.com/home/world/wrld_0bb59b7a-a50e-4a3e-bd21-28a0849dd020
amanekさんのRoom03 Quietというワールドで撮影許可を頂いて撮影しています。
ワールドURL:https://vrchat.com/home/world/wrld_0c75f1c4-4b85-498e-bc54-065a61bf35db
それぞれの動画は全て「色」「ライティング」「コンセプト」を検討した上で総合的に選びました。「撮りたいワールド」と「実際に撮った時にしっくりくるワールド」は実は一致しない事も多く、それを確かめるためには実際に足を運んで細かいチェックと試し撮りを繰り返す必要があります。撮影機材・ツール・テクニック・そしてワールド選びがあって初めてVTuberさんが映えるPVを撮影することができるのでは…と思います!
VR環境で良い感じの映像を撮るには-まとめ-
ということで、9000字以上を使ってめちゃくちゃ色々書いたのですが、正直ここに書いてある事だけではVRChatで良い感じの撮影ができるわけではなさそうな感じがしています…言語化って難しいですね…ざっくりと最低限必要なポイントをまとめると下記の4点になるかと思います。(が、僕もまだまだ学習過程であり撮影や編集技術においては未熟であると認識しています、、もっともっと大事なことがあるはずです。)
- 良いスペックのPCを用意する
- ドローンをなんとか体得する
- リアルの撮影手法を学ぶ
- ワールドとの相性を念入りにチェックする
今回、記事のタイトルで「PV」というワードを使ったのですが、これはPVに限った事ではなく、映像全てに言える事だと思います。特にVRでの撮影はリアルの撮影環境と非常によく似ており、魅力的な映像を撮るためにはリアルの撮影手法や表現方法を学ぶこともかなり有用です。この記事ではそのほんの一部分だけをかいつまんでご紹介しましたが、本来はもっとやるべき事が沢山あり、最適な方法は撮りたい映像によって変化してくるため、あくまでもBUSSAN個人の場合限定であり、それもまた現時点での非常に限定されたものであることをご了承頂けると嬉しいです。しかしながら、この記事を読んで一人でも参考になる方が居れば嬉しく思います。
最後にこの場を借りて、アドベントカレンダーにお誘い頂いたモンブランさん、記事制作に全面協力頂けたVTuber間牙みつきさんに感謝します!ありがとうございました!
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